春日萌花インタビュー 2024.10.29
——現在の体調というか術後の経過はいかがですか?
春日「はい。手術から1年1か月が過ぎて、先日も定期診察に行ってきました。数値としては腎臓の2個ある普通の人よりクレアチニンの数値は高いけれど、ドナーとしては良い方とのことで、今では3ヵ月に1回の検診が1年に1回に変わりました。」
——それは良かったですね。
春日「はい。福島までの遠征費も浮くので美味しいものが食べられます。と、言いたいところなのですが、実はそれとは別に自治体で毎年やっている健康診断を受けたらある数値が悪くなっていて…。」
——ええ!?
春日「まあ、週4くらいで食べてるラーメンを週1に減らせってことなんですけど(笑)」
——なんとまあ!
春日「どうしても3食に一回は麺を食べたくなっちゃうんですよね!」
——春日さんは大食いのイメージありますからね。くれぐれも食べ過ぎには気を付けてください。その他、体調面での変化はありますか?
春日「前より2時間くらい長く寝るようになりました。体が睡眠を欲しているんでしょうね。自分でも無理はしないようにしています。深夜ラジオ明けの日曜日は、試合がなくても以前なら何かしら動いていたところを今ではゆっくりするようになりましたし、睡眠も取っているので丁度良い気はしています。」
——それでは体調面だけでなく、リングに戻った感触のほうはどうでしょう
春日「これは欠場した瞬間からなんですけど、リング上で戦う選手をみて『痛いことよくやってんなぁ』と思って見てました。自分もやってたのに。それでいざ自分が復帰してみると『こんなにしんどかったっけ!?』と思いました。
——春日さんほどの選手でも1年休むとそう感じるのですね
春日「実際に練習でリングには今年の初めくらいから上がっていたのですが、試合との違いを文字通り痛感したというか。身体の芯を持っていかれるような衝撃に『これこれ』なんて思いながらやっています。」
——なるほど。試合勘のようなものはどうですか?
春日「それも鈍くなってましたよね。プロレス脳っていうんですかね、もともと良い方ではなかったのかもしれないですけど、瞬時の閃きみたいなのも衰えていた気がします。」
——それでも先日の高島平でのSAKI・真琴戦では結果は負けたもののあわやの場面も作りました
春日「そうですね。ようやく周りも見えるようになってきたし、技のレパートリーや引き出しの開け方も思い出してきました。」
——完全復帰目前といったところでしょうか
春日「でも、まだ勝ててないんで。復帰してからまだ自分の力で勝ててない。引き出しの開け方は思い出したけど、決定打には繋がってないのでどうにかしたいですね。」
——春日さんのその言葉にまだ自分の戦いに納得できていない強さを感じます。
春日「こないだの高島平でのタイトルマッチがあったじゃないですか。ゆうなちゃんとYuuRIが挑んだ。試合が決まってからの覚悟が凄かったですよね。ガンジョここにありを叫び続ける2人の言葉の大きさが凄かった。それを超えるほどチャンピオンチームの存在は大きかったんだけど、お客さんには届きましたよね。今までのガンジョとは違うっていう部分が。」
——はい。二人からは強さを感じました。
春日「私はすぐそばで試合までの葛藤や、忸怩たる思いを感じてました。それを越えて、ベルトは獲れなったけど、思いは届いたガンジョのベストバウトに感じました。ガンジョ第3章がスタートした感じですね。」
——新しいガンジョの形が見えてきたと
春日「そうは言いながらも、ゆうなちゃんとYuuRIがギラギラと外に向かって輝いているのを強く感じながら、それに対して私は生きることに必死で…。何ができるか自問自答しています…。」
——…。
春日「でも、振り返ればデビューしたときも皆からはすぐ辞めるだろうと思われていたけど20年続けることができた。20年辞めなかった根性はあります。仕事も拘る癖があって、これだけは辞めないと決めたものの中で、構築することで作ってきたものもたくさんあって。私にしかできないやり方で、出会ってきた人がたくさんいて、築いてきたものがたくさんあって。みんなとは違うルートで広めてくこと、伝えていくことはできるのかなって思っています。」
——春日さんならではの想いですね
春日「そのときそのときの役割ってあると思うんです。ドラクエのパーティーだって主人公である勇者がいて、先頭に立って戦う戦士がいて、だけど後ろで何かを守る僧侶や魔法使いだっているわけじゃないですか。今は自分はそういう立場でも良いかなとも思っています。」
——面白い例えですね。
春日「ただ、ドラクエと違うのは同じパーティーの中でも戦うことはありますからね。虎視眈々と狙っていますよ。」
——大阪ではそのまなせ選手と組んで、YuuRI・HARUKAZE組と戦います。
春日「ベルトに対して燃えていたYuuRIの情熱が今はゆうなちゃんに向かっていて、ゆうなちゃんはそれを受け止める覚悟でいる。HARUKAZEは新体制初勝利に向かって泥臭く頑張っていて。私は1人なんだか穏やかで。。」
——それも春日さんの個性ではあります
春日「はい。でも今回の大阪大会ってファンの人のおかげでできる大会なんですよね。クラウドファンディングで目標金額に達したお礼の大会なので、私は、私の「ありがとう」を勝利で伝えたいと思います。なりふり構わずできなくなっているのも事実ではありますが、ゴングが鳴ったらなりふり構わず戦う!その姿を大阪で見せたいと思います。」
——ありがとうございました。大阪での復帰後初勝利を願っています。